写真のレタッチの裏側みせます
こんにちは、フォトグラファーDAIです
今日は、みなさんにレタッチについてお伝えできたらと思っています
「レタッチ」と聞くと、アザを消したり、人を消したり、目を大きくしたり、というイメージを持つ方もいらっしゃいますが、私はそれらを「整形」と呼んでいます
技術的には整形レタッチも十分に可能なのですが、当店ではお二人のその時の本来の姿を、可能な限り美しく「写す」ということを提供しているので、お客様に提供する基本サービスには含まれていません。(別途料金をいただければ行うことも可能です)
では、写真納品までの一ヶ月間、フォトグラファーは何をしているかということですが、今回はそれを大公開しちゃいます♪

さて、ここに一枚の和装で紅葉ロケーションフォトがあります。2021年11月に美しい朱橋で有名な称名寺さんで撮影をした写真です。黄色く染まった銀杏と背景の緑、そして赤い橋が絶妙なバランスでとても綺麗ですね
この写真は完全にレタッチを行なった後の完成形ですが、撮影した(RAW(ロウ))データのままの写真公開します

こんな感じです
全体的にモヤッとしてコントラストが低く、薄い黄色いフィルターを介しているような彩りになっているのがわかりますか?
全体にかぶっている黄色を抜き
全体の明るさを整え
葉の緑のみを強調し
輪郭を引き締めて
肌のトーンを上げて
橋の赤を引き締め
イチョウの黄色を際立たせて
立体的に見えるように四隅を少し暗くする
というような処理をしています
撮影ショット数はフォトグラファーによってですが
私の場合はロケ一箇所でだいたい300-400枚くらいシャッターを切るので、ボツのカットを省くと250-300枚くらい
それらすべての写真にこの補正(レタッチ)を施すことになります
結構大変なんですよ 笑
ちなみにRAWデータというのは専門的なソフトがないと見れないファイル形式で、そこでレタッチして一般的な写真のjpgファイルというものに書き出すという作業をするわけですが、
ときどき写真好きな人が
「RAWファイルください」
というお客様もいらっしゃいます。ご自分でレタッチをしたいのでしょうね
フォトジェリッシュでは100GB以上のハードディスクやメディアなどを持ってきていただくことで、そのRAWデータも無料でお渡ししています。(他のフォトスタジオはNGの事も多いですが)※別日の場合は有償(16,500円)となります
自分好みの写真にレタッチしてみるのも面白いかもしれませんね
また、レタッチソフトも優秀になってきたので、クリック一つでレタッチしてくれるものもありますが、
この写真をそのクリック一つで自動補正をした場合はこうなります

色味は大部分の紅葉したイチョウの黄色に引っ張られて、補色である青くなり、明るさに関しては空が明るいため、全体としては反対側の暗くする、という判断のためにこういう写真になってしまいます
だいぶ印象もかわりますよね。ダメではないと思いますが、先ほどの完成している写真を見たあとだと、非常に残念な写真に見えるのは否めません
さて、こんな大変な作業を行っている、というのはわかっていただけましたでしょうか 笑
フィルムの時代から比べると「とりあえず」の写真をお渡しすることは当日でもできるようになりましたが、「キレイな写真」をお渡しするとなると、フォトグラファーの仕事は膨大に増えたと言えます
今回はレタッチについての裏側のお話しでした